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2018年12月15日 インフルエンザが流行期に入った所も…今年登場した“1回飲むだけ”の新薬『ゾフルーザ』とは
師走も中旬に入りグッと冷え込んできましたが、そんな中で心配なのが「インフルエンザ」です。ただ今年は「1回飲むだけでOK」の新しい薬が登場し、注目されています。
泣き叫んで嫌がる男の子…。注射しているのは、インフルエンザのワクチンです。
名古屋市の患者は増え始めていて、12月2日に「流行期」に入ったと発表されました。名古屋市緑区の「きむら内科小児科クリニック」では、流行が始まる前から、予防接種の予約が相次いでいて、「ワクチン不足」の懸念から新規の予約受付をストップしました。
母親:「小学校で(インフルエンザに)かかった子もいるみたいなので、早めに。かかってほしくないですね、つらいってよく聞くので」
きむら内科小児科クリニック 木村仁志院長:「この時期が一番逼迫するというかですね、かなり厳しい状況がいま続いていまして、本当に申し訳ないんですけど受け入れをお断りしているという状態ですね」
必要と分かっているものの、痛い注射…。しかも、受けたくてもなかなか受けられない予防接種。そこで、注目されているのが…。
木村院長:「ゾフルーザという名前の薬なんですけど、内服1回で済んでしまうというところが患者さんにとってもメリットになるところだと思います」
「ゾフルーザ」とは今年3月に発売されたインフルエンザの新薬。
院長:
「いままでのタミフル含め、4種類ほどある薬は細胞から飛び出すことができないようにブロックする薬だったんですね。ですが今回のゾフルーザという薬は、細胞の中で増殖を抑える」
これまでのインフルエンザの薬は、細胞の中で増殖したウイルスの拡散を防ぐというものですが、ゾフルーザは細胞の中でウイルスの増殖そのものを抑える薬。
タミフルは、1日2回、5日間服用し続けなければなりませんでしたが、ゾフルーザは、1回の服用で治療が済む非常に手軽なインフルエンザ薬です。
このクリニックでは院内処方もおこなっていて、ゾフルーザも取り扱っています。価格は1回の治療でタミフルの約1.8倍で、3割の負担で1回1400円あまりとなります。
院長:
「長期的な副作用の面ですとか、そのあたりに関しては未知の部分がありますので、その辺も考えながら処方はこちらで考えるということですね」
一方、これまで異常行動への懸念で10代の服用が原則差し控えられてきたタミフルは今年解禁。さらに9月には、同じ有効成分を使ったタミフル初のジェネリック薬品も登場し、さらに安く使うことができるようになりました。
まずは、手洗いやうがい、マスクの着用など、感染を防ぐ対応も大切なインフルエンザ。治療薬の選択肢も増えています。
東海テレビ