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2018年12月10日 年内にインフルエンザ予防接種を 川崎医科大・尾内教授に聞く

インフルエンザが猛威を振るう季節がやってきた。今年は新たな治療薬が登場し注目を集めるほか、2007年から10代患者への投与が原則禁止されていたタミフルの使用が再び認められるなど、患者を取り巻く環境は昨シーズンと比べ変化している。日本小児感染症学会理事長を務める川崎医科大の尾内一信教授(感染症・アレルギー)に予防法のほか、治療薬について解説してもらった。

 ―インフルエンザとみられる集団風邪が学校や幼稚園などで発生し始めた。

 例年、11月ごろから患者が増え始め、3月の終わりごろまで流行することが多い。年末年始に学校や会社が休みになると一時終息するが、年明けとともに新学期がスタートした学校などで再び広がる傾向にある。厚生労働省によると、インフルエンザで全国の医療機関を受診する患者のほぼ半数が15歳未満の子どもという。

 ―昨シーズンは推計受診患者数が過去最多の約2249万人となった。

 インフルエンザは、せきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)感染などで広がり、比較的感染力が強い。全身症状が強く現れるのが特徴で、急な発熱や筋肉痛、悪寒に襲われた場合は発症が疑われるので、早めに医療機関を受診してほしい。

 ―今年3月、新たな治療薬が発売され保険適用となった。

 「ゾフルーザ」という薬で、日本の医薬品メーカーが開発した。インフルエンザウイルスは細胞に侵入し自らのコピーを作って増殖、その後細胞外へ出て体内で拡散する。タミフルやイナビルといったこれまでの薬は、ウイルスが細胞外に広がるのを防ぐのに対し、ゾフルーザは細胞内でウイルス自体の増殖を抑制する仕組みを持っている。タミフルと同じように熱を下げ、ウイルスの排出を止める効果はタミフルよりも高いといわれている。服用量は年齢や体重によって異なるが、いずれも1回飲むだけでいい。ただ、使用され始めたばかりで臨床データは少ないため、実際の効果を含め注視していきたい。

 ―厚労省は、飛び降りといった異常行動が報告され、原則禁止していた10代患者へのタミフルの投与を、8月から再び認めた。

 専門家会議が異常行動とタミフルに因果関係があるとは言えないと判断したためだ。私が処方する場合、5歳未満は吸入薬のリレンザやイナビル、錠剤のゾフルーザだと服用しづらいため、カプセルとドライシロップがあるタミフルを出すことが多い。5歳以上に対してはそれぞれの薬の特徴を説明し選んでもらう。

 ―予防などで気をつけることは。

 予防接種は13歳未満は2回、それ以上は1回受ける。接種完了後2〜4週間目に免疫力がピークとなるので、年内に済ませておくのがポイント。3〜4カ月間は効果が見込める。特に高齢者や持病のある人、子どもは重症化しやすいのでぜひ受けてほしい。流行期には人混みを避け、日頃から手洗いやマスクの着用を心掛けること。発症してせきやくしゃみをする際は、ティッシュペーパーなどで口と鼻を覆う「せきエチケット」が大切だ。
(2018年12月09日 08時56分 更新)

山陽新聞

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