サイトイメージ 最新ニュース イベント情報 ごあいさつ タミフルとは 薬害タミフル脳症被害者の会について 会員被害者の現状 活動記録 報道 皆様の声 お勧め本のご紹介 要望書一覧 リンク

 

HOME>>タミフルとは

タミフルとは

タミフル画像 ◎医薬ビジランスセンター浜六郎医師にわかりやすく解説して
頂きました。



  インフルエンザ用抗ウイルス剤タミフル 
★★★タミフルとは  タミフル脳症とは?★★★
自然に治癒する感染症に、死ぬ危険のある薬は必要か?
NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)  浜 六郎



タミフルは抗ウイルス剤ですが、インフルエンザウイルスの活動を鈍らせるだけ。一方、タミフルを服用すると呼吸抑制や異常行動を起こして最悪死亡することもあります。それだけでなく、体はインフルエンザウイルスを追い出しにくくなり、耐性ウイルスができればそれが潜んでしまいます。体温低下はインフルエンザがよくなったのではなく、タミフルの体温低下作用のためだ。インフルエンザは自然治癒するかぜの一種。危険なタミフルは安易に使うべきでありません。

タミフルとは、またタミフル脳症とはどういうものか解説してほしいと、薬害タミフル脳症被害者の会から依頼を受けましたので、以下に、できるだけ分かりやすく解説したいと思います(『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版(No61、62、65)、『薬のチェックは命のチェック』12号(改訂版)、同21号なども参照ください)。 

■タミフルはインフルエンザの特効薬か?■
インフルエンザは、流行性感冒とも呼ばれるように「感冒」つまり「かぜ」の一種です。インフルエンザもかぜも、暖かくして安静にしていれば自然に治まる病気です。解熱剤で一時的に熱が下がると元気になり、はしゃぎ回ったり、大人では無理して仕事するなどすると体力を消耗してよけいに治りが遅くなります。欧米ではふつう、インフルエンザやかぜでは医者にはかからない。日本の治療が世界の常識と異なっているのです。

タミフルは決して特効薬ではありません。インフルエンザに伴う症状を少し抑えられる程度です(インフルエンザの症状が消えるのが平均1日早くなる程度で、非ステロイド抗炎症剤を解熱剤として使うとその効果も帳消しになる)。間違わないでください。
日本の臨床試験ではA香港型(H3N2)のインフルエンザにタミフルは全く効きませんでした。また、2005年のB型にも効きませんでした。喘息を持った子を対象にした臨床試験の結果では治りが遅くなる子が増えています。タミフルを服薬したほうが服用終了後の肺炎が多発したので、おそらくそのためでしょう。インフルエンザの症状を予防することもできませんでした。また、臨床試験では、嘔吐や頭痛を起こす人も多く、特に初日の嘔吐は脳内の圧力が高まるためと考えられました。糖尿病の悪化や発病もタミフル服用者に多発しました。
耐性ウイルスも3歳未満では30%に出ました。おまけに今年はタミフル耐性のインフルエンザウイルスによるインフルエンザにかかったと考えられる例が見つかったのです。後で述べるように、真夏の沖縄などでの流行は、タミフルの使いすぎが関係していると思われます。

■タミフルの副作用・害■
学会での報告をきかっけにマスメディアで報道されてから、NPO医薬ビジランスセンター(薬のチェック)には、異常行動や突然死の副作用ではないかとの相談が合計43件寄せられました。呼吸異常から死に至ったと推測される人もいました。種々の情報を総合するとタミフルによる害は次のようなものです。
体温の低下は、インフルエンザが治ったと錯覚されやすいのですが、実はタミフルが脳に働き体温を下げただけです。ウイルスは体内にまだいます。34度台とか32度台にまでなってしまった人もいます。

せん妄は急にわけのわからないことを言ったり、行動したりする状態を言います。行動だけに注目すると「異常行動」となります。異常行動の結果自殺する可能性も否定はできません(睡眠剤や安定剤では自殺も副作用の一つと考えられています)。攻撃的になり暴力を振るうようなこともありえます。これも睡眠剤や安定剤と同様です。
幻覚は、あるはずのないものが明瞭に見える。ものがゆがんでみえたり、無地のものが縞模様に見えたり、大きくなったり小さくなったりもします。
幻聴もあり、具体的な声や、音がガンガンと響く、とくにまわりが静かになると、耳の中で音がうるさく鳴ることもあります。知覚の異常もあり、からだのあちこちが痛むという訴えをすることもあります。
全く健康な男子であったのにタミフル服用後、精神障害と診断されて入院し何か月も治療を受けていた中学生もいます。この子の場合は、タミフルの異常行動の記事を読んだ親が、もしや?と疑って主治医に訴え、主治医から筆者に問い合わせがありました。現在は退院しています。あるいは、薬剤で十分コントロールできていた統合失調症が急に悪化して大けがをした例もありまする。
突然死もあります。タミフルによって、より強く中枢が抑制されると、行動が抑制され、眠気を生じ眠ってしまいます。タミフルを服用して午睡中に突然死した子は、単に午睡ではなく、タミフルの作用で眠気を催した結果眠ったと考えるべきです。そして脳がさらに抑制されると呼吸が止まってしまいます。呼吸が止まるのは最後の最後で、わずか前までは息をしていたのに急に止まるので、異常に気付いて病院に連れて行く途中で呼吸が止まって亡くなった子もいます。

薬理・中毒的な副作用以外も厚労省には多数報告されています。たとえば、スティーブンス・ジョンソン症候群やTEN(中毒性表皮壊死症)(いずれも死亡率の高い重症の皮膚障害)や、ショックも多数報告されています。

「ライ症候群」や「インフルエンザ脳症」の原因は主に解熱剤
アメリカでは、1980年代の半ば頃までウイルス感染経過中に意識障害と肝障害などを起こすライ症候群が流行しましたが、調査で原因と疑われたアスピリンの使用を止めたら激減しました。
日本ではアスピリンの使用を止めても脳症はあまり減らず、むしろ、さらに激しいタイプの脳症が流行しました。死亡例の多くは、解熱剤として使っていた非ステロイド抗炎症剤(アセトアミノフェン以外)が原因でした。

1999年に、ようやく旧厚生省も非ステロイド抗炎症剤系解熱剤の害を警告し、ボルタレンやポンタールなど強い作用の薬剤の使用が激減した結果、2000年以降は死亡する脳症が減少しました。
2002/03年の冬のシーズンから、睡眠中に呼吸が止まって突然死する子が相次ぎました。6人が「新型脳症」として報告され、うち2人は痙攣を起こす別の薬剤を服用していましたが、4人はタミフルを1回だけ服用していました。睡眠中に痙攣以外で突然死するような例はこれまでには報告されていませんでしたので、2005年2月発行のTIP誌や同年4月発行の「薬のチェック」にそのことを書いたのです。

睡眠中突然死と異常行動死
現在、薬害タミフル脳症被害者の会の会員になっている方々から相次いで相談が寄せられたのは、この記事を書いた後でした。タミフル服用後にマンションの9階から落ちて死亡した14歳の中学生男子、雪の積もっている中を裸足で走り、塀を越え、線路を横切り、国道に出て大型トラックにはねられ死亡した17歳高校生男子、睡眠中に突然呼吸が止まってぐにゃぐにゃになり救急搬送されたが死亡した2歳9か月男児の親からでした。

カルテを精査し、動物実験や他の情報などとも総合的に検討した結果、死亡とタミフルとの因果関係は間違いないと考え、医薬品医療機器総合機構の副作用被害救済制度に申請のための意見書を書き、2005年11月12日、日本小児感染症学会で発表しました。

大きく報道されたが、すぐ否定キャンペーン
学会での報告当日の毎日新聞朝刊で大きく取り上げられ、多くのマスメディアから注目され、ニュースは日本だけでなく英語(アメリカ、イギリス)、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語(香港)、ベトナム語などで報道され世界各国を駆け巡りました。一般にも、タミフル服用によって異常行動が起きることが少なくともかなり浸透し、異常行動の報告も増えました。
しかし、まもなくアメリカ食品医薬品局(FDA)が異常行動とタミフルとの関連をほとんど否定。日本の厚生労働省(厚労省)や日本小児科学会でも「否定的」と因果関係を否定。タミフル使用を規制するどころか、鳥インフルエンザの発生が新型インフルエンザ大流行の兆しであると人々の恐怖をあおり、行政によるタミフル備蓄を打ち出し、タミフルによる異常行動死や突然死に対する市民の恐怖の鎮静化を図りました。そしてマスメディアで、「専門家」と称する小児科医らがタミフルとの関連を否定した結果、残念ながら、かなり鎮静化されてしまいました。

とうとう沖縄県では季節はずれのインフルエンザに罹りタミフルを服用した中学生が7月3日転落死しましたが、その翌日に発送された通知で、国は、副作用被害救済制度に申請していた4人の死亡例とタミフルとの因果関係を否定しました。

因果関係は強い
私が文献など精査して得た以下の諸事実から、因果関係は極めて濃厚と結論できます。
呼吸抑制による突然死は、製薬会社が行なった3つの動物実験で確かめられています。ヒトに使用するたかだか10倍から20倍を超える量で赤ちゃんラットがヒトと同じように呼吸が止まって多数死亡しました。しかも、死亡する前に起きる症状が、人と動物でそっくりです。体温低下、行動抑制、呼吸抑制、呼吸が激しくなったり小さくなったり不規則になる、死亡する前にチアノーゼ(唇や粘膜が紫色〜黒っぽくなる)、解剖すると肺水腫(肺の浮腫)が起きるなどが、人でも動物でも共通して起きています。特に肺水腫は人では解剖された2人中2人ともありましたし、ラットでは死亡した18匹中9匹と高率に認められていますので、極めて特徴的な害といえます。

呼吸抑制と幻覚や異常行動は、同じ薬理作用の延長上のもので、程度の違いによります。つまり、睡眠剤や安定剤、アルコールなどと同様、始めは脳の神経機能を統合している部分の働きが鈍るために幻覚や異常行動を起こし、大量では脳全体が抑えられて最後は呼吸中枢が麻痺して呼吸が止まるのです。
専門家は「熱せん妄だ」「他の薬が原因」と主張しますが、この主張は、個々の例を検討し、さらに多数の例を検討して言っているのではありません。この主張に根拠がないことは次の例だけをとってみても明瞭です。
14歳の中学生は、何も薬を飲まなくても自然に熱が下がって(37度5分)から、念のためにと、タミフルだけを飲みました。そして異常行動を起こしたのです。異常行動は、熱のせいでも、他の薬剤のせいでもありません。厚労省が副作用として報告した例も同様です。体温が低下し、急に走り出し、窓から飛び降りようとしたところを母親が抱き留めて死を免れた例です。この例をみて厚生労働省はタミフルと関係がありうると考えたからこそ注意喚起をしたのです。にも関わらず、14歳中学生男子の例は、そばに家族がいなかったので「状況不明」として、タミフルとの因果関係を認めませんでした。

私が多くの例を集計した結果、薬を何も飲まずに生じた「熱せん妄」は90%以上が高熱時に起きていました。一方、タミフル服用後のせん妄では、高熱時に生じた割合は20%でした。80%は高熱時ではありませんでした。熱が下がり始めてから、あるいは完全に解熱してから、さらには低体温時にせん妄や幻覚が生じていました。したがって、熱せん妄とは全く異なるのです。
さらには、「インフルエンザ脳症が原因」との指摘もありますが、従来の死ぬような脳症の大部分は「きつい解熱剤=非ステロイド抗炎症剤」が原因でした。国の研究班は、その因果関係を1999年に指摘していながら、ここ数年は非ステロイド抗炎症剤系の解熱剤の危険性に触れず、「インフルエンザ脳症ガイドライン」では完全に無視しています。どうしても薬剤との関連は認めたくないとの姿勢が明瞭です。

季節はずれのインフルエンザ流行とタミフル
沖縄県では季節はずれのインフルエンザに罹ってタミフルでまた、中学生が転落死しました。タミフルの害反応を否定あるいは過小評価する情報で安易な処方と服用がされたからでしょう(この中学生の場合は、兄に処方されていたタミフルを親が飲ませたのです)。
沖縄をはじめ、真夏にインフルエンザの大流行をみたのは、冬にタミフルを使っても完全に体外に追い出しきれなかったインフルエンザウイルスが体に潜んでいたのでしょう。夏に流行したのは、特に冷房が効き過ぎた冷たい環境で鼻やのどの粘膜で繁殖したインフルエンザウイルスが原因になった可能性が極めて高いと思われます。

インフルエンザにかかればほとんど全員にタミフルが処方され、世界の70%〜80%も日本で使っている。このような状態を続けると、鳥インフルエンザから新型インフルエンザへウイルスが移行する怖れよりも、タミフル耐性の変異ウイルスによる被害の方が現実的であるかもしれません。そうなれば、日本が発信元ということになるでしょう。
抗ウイルス剤としては効かないけれども、脳の機能を抑制して、体温低下作用や幻覚、異常行動、呼吸抑制から突然死などが無くなるとはありません。

この冬、インフルエンザに罹ったらどうする?
夜寝る前にタミフルを服用し、翌朝冷たくなっていた例、寝返りをうった10分後に呼吸が止まっていた子、異常に気づき車で病院へ連れて行く間に呼吸が止まった子など、すべて最初の1回分服用後に起きています。注意しても防ぎようがない例ばかりです。注意すれば防ぐことができるという副作用ではありません。
一方、インフルエンザは自然に治まる「かぜ」の一種です。タミフルを服用させる、服用するかどうかを考えるなら、自然に治まるかぜに、死ぬかもしれないという害があるタミフルを使うかどうかをよく考えてほしいのです。

インフルエンザならば暖かくして安静にしていれば自然に治まります。タミフルは、発病後48時間以内に服用しなければ効かないというのですから(そもそも効かないが)、熱もある一番つらい時に受診することになります。その時間には暖かくして安静にして寝ているほうがよほど早く治るに違いありません。薬は使わなくてよいのです。

熱がピークに達すれば寒気はなくなり、体が温かい感じがしてきます。こうなればインフルエンザはもう峠を越し始めているのです。このときに熱を下げるのは「愚の骨頂」「たいへんもったいない」のです。解熱剤で下げるとまだ完全にはやっつけられていないインフルエンザウイルスがまた元気を取り戻し、また寒けとふるえがきて、最初よりも高熱にさえなりかねません。すこし退屈でもひたすら寝る。眠れなくても目をつぶって横になっているだけでよい。薬は使わなくてよいのです。
そういう世界的常識に従っていれば、インフルエンザは怖くない!