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2013年02月14日 要注意!インフルエンザによる子どもの異常行動が多発中
処方されたタミフルを服用した子どもに、異常な行動が現れる……
数年前、インフルエンザにかかった子どもについて、相次いでこのような報告があったことは、記憶に新しいことと思います。自宅の2階から転落するなど、痛ましい事故につながったケースもありました。
こうしたインフルエンザの子どもの異常行動と、治療薬タミフルとの因果関係は未だはっきりしないものの、平成19年には、原則、10歳以上の未成年にはタミフルの使用を差し控えるよう、厚生労働省から医療機関に通達が出されました。これにより、現在、10歳代のインフルエンザ患者には、タミフル以外の薬が処方されています。
これで異常行動は起きない、と考えたいところなのですが、実は、通達が出された後も、インフルエンザの子どもの異常行動は無くなっていません。
■異常行動はまだまだ現れている!
厚生労働省ホームページの「インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究」によれば、タミフル以外にも、リレンザ、イナビル等の治療薬を服用した場合にも異常行動が現れる、とされています。
また、解熱剤のアセトアミノフェンのみ服用した場合や、特に医薬品の服用がない場合でも、同様の異常行動がみられたという報告があります。
異常行動は、乳幼児や小学生など、10歳未満も含め、幅広い年齢層で現れています。つまり、タミフルを服用していなくても、インフルエンザにかかった子どもは異常行動を起こす可能性があるということ。現在、注意が呼びかけられています。
■異常行動とは?
厚生労働省ホームページ「インフルエンザQ&A」によれば、“異常行動”として次のような例が挙げられています。
<・突然立ち上がって部屋から出ようとする。
・興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う。
・興奮して窓を開けてベランダに出ようとする。
・自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない。
・人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す。
・変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る。
・突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする。>
特に、ベランダへ出たり、外に飛び出したり、という場合には、命にかかわる大事故につながることも。周囲の大人が抑えたり、守ったりしなければなりません。
■自宅療養中、最低2日間は見守る
異常行動による思わぬ事故を防ぐためには、自宅療養中、子どもが1人きりにならないよう、注意することが大切です。異常行動は、かかってから2日目までに多く現れます。療養開始から、少なくとも2日間は大人が見守るべきでしょう。
また、身体が大きく力の強い子どもの場合、お母さん1人では異常行動を抑えられないことも。できるだけ複数の大人が対応できる状態にしておくこといいでしょう。
異常行動以外にも、インフルエンザの初期は急に悪化する可能性があります。子どもが安心して療養できるように、大人がしっかり見守ってあげたいものですね。