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2011年07月03日 子どもの脳はタミフルの影響を受けやすい…理研ら確認
血中の異物や薬物から脳を守る機能は成長とともに発達し、幼少期には脳に取り込まれやすい薬物が存在することを、理化学研究所らが世界で初めて霊長類(アカゲザル)で確認した。理研分子イメージング科学研究センター 分子プローブ動態応用研究チーム高島忠之研究員と、同分子プローブ機能評価研究チーム尾上浩隆チームリーダー、東京大学大学院薬学系研究科との共同研究の成果という。
抗不整脈薬のベラパミルでは2.3倍、未成年者の副作用が指摘されている抗インフルエンザ薬のタミフルでは約1.3倍、幼少期のサルでは成熟したサルに比べて速く脳へ取り込まれることがわかったという。
同研究グループは今回の手法をヒトに応用し、さまざまな薬剤の脳内移行性を検証する予定。またこれにより、副作用の原因の解明や副作用が起きる可能性の予測が期待できるとしている。
この研究成果は、米国の科学雑誌「The Journal of Nuclear Medicine」(6月号)への掲載に先立ち、オンライン版(5月13日付け:日本時間5月13日)に掲載された。