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2010年01月18日 欧州でワクチン解約相次ぐ 新型インフル、需要縮小
【ジュネーブ共同】新型インフルエンザ用のワクチン需要が欧州諸国で急速に縮小、各国政府がメーカーに発注した分を解約するケースが相次いでいる。感染拡大の勢いが収まる傾向がみられ接種希望者が少ないこと、免疫確保は1回の接種で十分と判明したことなどが主な要因。今後、解約に伴う費用を誰が負担するかの議論や、保健当局の責任を追及する動きも出そうだ。
世界保健機関(WHO)は「各国の個別の判断でWHOが助言する立場にない」(フクダ事務局長特別顧問)と、解約の是非について明確な判断を避けている。ただ、WHO関係者の間には、新型インフルエンザへの警戒感が緩み、「高リスク層」と呼ばれる本来接種を受けるべき人まで接種されないケースが増えるのを懸念する声もある。
15日付のイタリア紙コリエレ・デラ・セラによると、イタリア政府は当初発注したワクチン4800万回分の半分の解約を決定。同様の動きは既にフランスやドイツでも出ている。
余剰ワクチンはワクチン不足の発展途上国などに転売される可能性が高いが、大量の余剰分をどこまで吸収できるかは不透明だ。2010/01/18 17:25