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2009年04月24日 【336】会員より 厚労省研究班がタミフル、異常行動「否定できず

厚労省研究班がタミフル、異常行動「否定できず」http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/ 読売新聞
タミフル服用すると「異常行動1.5倍」http://www.asahi.com/朝日新聞

その他にもNHKや J-CASTニュース などで報道されました。

この発表まで紆余曲折の道のりでした。
北京オリンピック開催が待たれる昨年(2008年)8月頃、厚労省ではタミフルと異常行動の因果関係を正式発表するのを予定していました。しかし、「データの入力ミスが見つかった」という理由で発表が延期されていました。ここまでの延期には浜医師を始め様々な方面から見直しを求める声が高々とあがりました。そして、その年の12月に東京で開催された日本臨床薬理学会年次総会では、藤田氏(横田班調査の集計担当統計学者)までもが、廣田班の計算方法は間違いだと指摘したこともあったからでしょう。また国立医薬品食品衛生研究所薬理部長で、厚労省のタミフル問題のキーパーソン中澤憲一氏によるハレンチ事件などもありました。

しかしながら、なぜもっと早く最終報告が出なかったのか、インフルエンザシーズンも終わった今この時期の発表に嫌悪を感じる方も多い事でしょう。しかも、夕刊にも朝刊にも間に合わないような、新聞が取り上げにくい土曜の夜の発表という、実に計算された発表の仕方です。

まだ詳しいデータが示されていない段階ではありますが、
確かなのは否定の立場を一転「否定できず」としたことです。

熱せん妄と違う、タミフルの副作用によって引き起こされる異常行動が存在します。
ようやく数字のうえで、厚労省が関連を認めざる得なくなったことを意味しています。

さて、今回発表された数字に注目してみますと、やはり納得できません。
たとえば、メーカーの中外製薬の添付文書には「服用後二日間見守ること」とあります。浜先生の分析結果からは、廣田班全体では少なくとも1.56倍、横田班の調査からは服用初日(昼)では4倍の異常行動が頻発することがわかっています。 幻覚は12倍です。

発表された数字は、急に走り出すなどして死亡やけがに結びついた深刻な異常行動に限定すると、リスクは1.25倍、10歳以上では1.54倍になったというものですが、この数字からは、4倍とか12倍といった事態を読み取る事は到底できないでしょう。

それから、ほとんど毎回そうですが、重大なあの「十代原則禁止」でさえ深夜に発表されています。今回の発表も休日前の深夜であったため、あまり大きく取り上げられませんでしたがいいのでしょうか。

文末には、軽症のものも含めた異常行動を起こす全体のリスクは0.62倍と低かった、と結んでいます。「否定できず」としながら、それを薄めているように思います。

2007年12月には0.38倍が、昨年7月には0.91に、そして今回は0.62とまた下がっています。同じ調査でどうしてこんなに数字がコロコロ変わるのか不思議です。

浜医師は、この数字について、つぎのように分析できると言っています。
廣田班で今回0.62倍といっているのは、本当は1.56倍つまり、0.62の2.5倍になります。そうすると、今回発表された1.25倍とか1.54倍といっている数字は、本当はもっと倍率が高いのではないか。0.62倍と1.56倍の関係と同じとすると、2.5倍掛ける必要があります。そうすると、深刻な異常行動全体では、リスクは全年齢で約3.1倍、10歳代に限ると、3.9倍ということなのかも知れません。これに時間の要素を加えるとさらに高い倍率となり、5倍、10倍と起こりやすいことになるのではないかと思います。(浜医師)
 
また、今の時期にこのようなデータが出たことなどについて、以下のように述べています。
間違いを認めた結果の解析ではどうもなさそうです。詳しいデータを入手でき次第分析したいと思っています。それに、この程度の解析に1年以上もかかるはずがありません。引き伸ばしにしかすぎません。
そして、問題は異常行動だけではありません。突然死の原因もタミフルであることがはっきりしているのに、何の対策も採られていません。
タミフルの用量を増やすと死亡する動物が見事に増加しているデータが新たに出てきたのに、その動物実験のデータを正式に公表していません。肝腎な情報は、ひた隠しのままです。
異常行動との関係を示す動物実験をたくさんの学者が実施しているのに、そうした研究者が検討の会議に出ていないのもおかしいですね。(浜医師)

朝日新聞から「研究班は、医療機関からの報告にばらつきがあるなどの理由で、正確な解析が難しいとしており、広田班長は『タミフルと異常行動の関連性の有無を調べるには、研究の計画段階から疫学者を加えたより正確な調査が必要だ』と話している。 」
といささか逆切れ気味を感じてしまいました。ミスしたことは確かなのに、やはりわびる気持ちなどさらさら無いようです。
分析対象は06〜07年にインフルエンザと診断された18歳未満の患者約1万人の大規模な調査でした。実施中に「タミフルで飛び降り」が連続してあり、しかもその後も「耐性出現」でより、「危険」のうえに「効かない」となりました。話はそれますが、そもそも「タミフル効かない」はメーカーに対する風評被害としては「薬害タミフル脳症被害者の会」をはるかに上回るものではないでしょうか。

とにかく、読売新聞の解説にもありますように「何しろ、子どもの生命にかかわる問題だ。死亡した子どもや家族の思いに応える」ようにしてほしい。
しかし、もうすでに因果関係を示すデータはそろっている。「拙速に結論を出すのではなく、誠実に科学データを積み重ね、慎重に議論していく姿勢が必要だ。」というのんびりした構えでは、被害はまだまだ拡大します。
タミフルを通常のインフルエンザに使用して子供を危険な目に遭わせているのは、悲しいことにわが国だけです。タミフルが原因で突然死された方の問題は無視されています。

当被害者会は、これ以上被害者を出さないようにして欲しいと思います。そのためにも、データは早く開示して、実際に異常行動との関係を証明した学者を検討会に入れて議論してほしい。そして1日も早く、突然死や異常行動との因果関係を認めてほしいと思います。

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