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2009年11月15日 新型インフル流行で思わぬプラス効果(下)
新型インフル 流行性角結膜炎の患者数は、2007年に6万2475人、昨年は4万2536人に達したが、今年は10月31日現在で2万6739人にとどまっている。例年、10月中旬には流行が終息するため、今年の患者数はこのまま年末までさほど増えることなく、例年よりも大幅に少なくなるとみられている。
また、食品医薬品安全庁によると、今年の食中毒の発生件数は、今月9日現在で210件(患者数:5622人)だった。過去3年間の同じ期間の平均327件(患者数:8217人)に比べると、32%も減ったというわけだ。ファン・ソンフィ食中毒予防管理課長は、「食中毒は例年、5月以降に大幅に増加するが、今年は(新型インフルエンザの流行が始まった)5月以降、大幅に減った」と話している。
交通事故などによるけが人や、ツツガムシ病などの患者も、外出する人が減ったのに伴い、減少傾向を見せている。国立医療院救急室の関係者は、「新型インフルエンザの患者は大幅に増えたが、けがなどで来院する患者は減った」と話す。ダニの幼虫に刺されることで感染するツツガムシ病は、農作業や墓参りの際に感染する機会が少なくないが、今年の患者数は今月11日現在で2573人と、昨年(5016人)の約半分にとどまった。
一方、多くの人が新型インフルエンザを意識するため、発熱を伴うほかの病気の治療が遅れるケースもある。A大学病院のキム・ヒョングさんは、「患者たちは熱があると、“新型インフルエンザにかかったかもしれない。タミフルを処方してほしい”と訴える」と話す。
発熱を訴え、同病院を訪れた患者は、「肝炎の可能性があるから、血液検査をしよう」という医師の勧めを無視し、タミフルの処方を受けて帰宅したが、数日後に肝機能が大幅に低下した状態で来院した。また、高熱やのどの痛みを訴えて来院した患者も、血液検査やX線検査を勧める医師たちの話に耳を傾けず、タミフルだけを服用したが、12時間もたたずに呼吸困難を訴え来院した。この患者は急性喉頭炎だった。 キム・ギョンファ記者