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2009年09月11日 タミフル耐性ウイルス、人から人に感染か 米国で報告例
インフルエンザ治療薬のタミフルが効きにくい耐性を持った新型の豚インフルエンザのウイルスが、人から人に感染した可能性があることを、米疾病対策センター(CDC)が11日付週報で報告した。新型の耐性ウイルスはすでに見つかっていたが、感染力が弱いとされ、人から人に感染したとすれば初めて。
CDCの報告によると、米ノースカロライナ州でサマーキャンプに参加、同じ小屋に滞在した少女2人が7月8日と11日に発症、いずれも耐性ウイルスが確認された。
キャンプ場では6月から新型インフルが流行し、2少女を含めた参加者ら607人がタミフルの予防投与を受けていた。投与中に発症したため耐性ウイルス感染が疑われたという。ほかに6人がタミフル投与中に発症したが耐性ウイルスは見つかっていない。
これまで大阪府の患者など国内外でタミフル耐性を持つ新型ウイルスが見つかっているが、1人の患者だけで、周辺の患者からは耐性ウイルスは見つかっていなかった。
インフルのウイルスでは、タミフルを投与された人から一定の割合で耐性ウイルスが見つかるものの、感染力が弱く、すぐ消滅することが知られていた。ただ最近、季節性のAソ連型は耐性ウイルスが流行しており、新型でも流行が心配されている。
菅谷憲夫・けいゆう病院小児科部長は「むやみな予防投与で耐性ウイルスが出やすくなることを示したともいえ、注意が必要」と話す。
厚生労働省もCDCの発表を確認しており、舛添厚生労働相は11日の閣議後会見で「情報収集している」と話した。