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2009年08月23日 「新型インフルエンザ騒動」のウソを見抜く、意味のない検疫をやめる勇気を!
講演会で講演中の谷口憲俊氏。(撮影:8月22日、徳島達朗、西南学院大学にて) 【PJニュース 2009年8月23日】8月22日、西南学院大学で、NPO法人患者の権利オンブズマン主催の講演会が開催された。演題は「『新型インフルエンザ騒動』から見えた医療崩壊の実態」であり、講師は谷田憲俊氏(山口大学医学系研究科医療環境学教授、内科医:感染症)であった。
谷田氏の立場は、「医科学と医療の幻想から患者の安全を考える」というもので、パワーポイントを使用して、(1)新型インフルエンザ出現から現状まで、(2)日本の水際作戦、(3)不可能なことを求める日本、(4)安全? 安心?、(5)何が必要なのかと話を進めた。
谷田氏は日本が実施した水際作戦としての「検疫」について、「検疫は無効」「意味ないことに医療資源投入」と批判した。さらに、「始めたら、止められない日本人」「意味ないことは止める勇気を」「貴重は医療資源の有効活用を」と呼びかけた。
谷口氏は「医療崩壊」に関し「認識から改める必要」がると強調した。「医療は万能ではない。タミフルを投与しても、治らない患者は治らない」「過度のメディカライゼーションがある」「不必要な医療もある」
谷口氏はインフルエンザワクチンの問題点としては、国立感染症研究所の指針を紹介した。(1)インフルエンザウイルスを根絶することは不可能。(2)現行の感染防御効果や発症阻止効果は完全でない。(3)終生免疫でない。(4)有効な防御免疫の持続期間は3ヶ月程度。(5)全粒子ワクチンに比べると免疫原性は若干低い。(6)気道粘膜免疫、細胞性免疫が誘導されない。(7)ホスキンス効果(以前のウイルスに対する抗体産生をより強く刺激する抗原原罪現象が認められて、目的ウイルスへの免疫が十分に誘導されなくなる)。(8)約100万人に1人の割で重篤な神経系健康障害。
最後に、谷口氏は個人の対策としていくつかあげた。(1)手洗い、個人防衛策:入るウイルス量は少ない方がいい。(2)水分、栄養、休養を十分に。(3)ワクチン・予防投薬は個人の希望で:ワクチンの有効性はあってもわずか。タミフル:突然死、異常行動のリスク。(4)かかったら:ひたすら寝る。風邪薬は禁忌(悪化させる)、高熱には氷。(5)呼吸困難、意識混濁:病院へ。【了】