<<前の記事へ| 次の記事へ>>
2009年05月22日 【新型インフル】新対策、2分類で対応 急増地域で大幅緩和、水際対策も縮小
政府は22日、新型インフルエンザ対策本部(本部長・麻生太郎首相)を首相官邸で開き、感染の発生状況に応じて柔軟に行う新たな国内対策を決めた。患者発生が数例の地域(少数地域)と、患者が急増している地域(急増地域)の2パターンに分類し、急増地域では従来の対策を大幅に緩和した。新型インフルエンザが季節性インフルエンザ程度の「弱毒性」だったことを受けた措置で、地方自治体が実情に即した対応を取ることを重視した。
「少数地域」では、これまで同様に感染拡大の防止に力点を置く。インフルエンザの症状が見られたら発熱相談センターに電話相談し、発熱外来で受診する。感染者は感染症指定医療機関に入院させ、学校については市区町村や都道府県単位で臨時休校を要請する。
「急増地域」では、国民生活や経済への影響を最小限に抑えるため、糖尿病や心臓の持病など基礎疾患がある患者への感染や重篤化を防ぐことを重視した。症状が出ても一般の医療機関で受診ができる。入院は基礎疾患のある患者を優先させ、軽症患者はできるだけ自宅で療養してもらう。
学校を休業するかどうかは、自治体や学校法人が個別に判断する。感染が拡大した状況では広範囲に臨時休校の措置を取っても効果は薄いと判断した。学級閉鎖だけの措置も認める。
2パターンのどれを選ぶかは、都道府県や保健所のある市が厚生労働省と相談して決める。
政府はこれまで「強毒性」の鳥インフルエンザを想定した行動計画に即した対策を取っていたが、神戸市など感染者が急増している自治体は実情に応じた対策変更を求めていた。
水際対策も縮小し、事前に通報があった場合だけ機内検疫を実施する。感染者近くの乗客に対する7日間の停留措置も解除した。