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2009年05月18日 <新型インフル>「季節性と変わらず」厚労相、新たな対策へ

 舛添要一厚生労働相は18日会見し、新型インフルエンザについて「感染力や病原性などは季節性インフルエンザと変わらないとの評価が可能」と述べ、感染者の入院措置を緩和するなど、新たな対策に切り替える方針を表明した。「全国でまん延している可能性がある」との認識も示し、今週内に国の行動計画を第3段階(感染拡大期、まん延期)へ移行する可能性があることも明らかにした。

 政府対策本部は、水際阻止以外の国内初感染が確認された16日、市町村単位を原則とする学校の休校要請や、医療体制の整備促進などの対応策を示した。その後、感染が急拡大し、兵庫県と大阪府が全域で中高校の1週間休校を決めるなど市民生活への影響が広がるとともに、患者を入院させる感染症指定医療機関の病床が不足する恐れも出ている。

 これを受け舛添氏は「季節性インフルエンザと同様の対応にしないと、都市機能がまひするとの(地元の)意見を踏まえて運用したい」と述べ、弱毒性であることを考慮した対策への切り替えが必要との認識を示した。

 具体策としては、重症者の病床を確保するために軽症者の在宅療養を進めることや、水際対策に投入した医師を医療現場に戻すことなどを挙げた。発生国からの帰国者の健康観察も「既に大阪や兵庫にはたくさん人がいる」として、縮小する考えを示した。

 また「(強毒性の)鳥インフルエンザを基にした行動計画の枠で修正しても切り替えが困難なら、今回の新型に即した新しい方針を作るのも一つの方法」と説明。行動計画とは別の対策も「可能性として模索した方がいい」とし、早ければ19日にも見直しの一部を公表する考えを示した。

 一方、国内の現状について「感染源もまだ分からない。まん延していることを前提にした方がいい」と指摘。感染拡大の防止と死者を出さないことが大切だとして「学校を早期に広範囲で臨時休校するのは有効だ」と住民に理解を求めた。

 会見に先立って舛添氏も出席した全国知事会では、大阪府の橋下徹知事が「休校をずっと続けるわけにはいかず、対応にかじを切らないと大阪はもたない」と主張。感染者が未確認の地域からも「健康観察の対象が東京都内で1万人もおり、水際対策の担当者を国内対策に回したい」(東京都)、「新型インフルエンザは災害事象ととらえ、医療従事者の万一の手当てを考えてほしい」(鳥取県)などの要望が出された。【清水健二、内橋寿明】

5月18日21時26分配信 毎日新聞

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