<<前の記事へ| 次の記事へ>>
2008年12月02日 インフルエンザH1N1型にタミフル耐性株が増加
インフルエンザのH1N1型ウイルスに、タミフルが効かない「耐性株」が増加している。国立感染症研究所によると、昨年北欧でタミフルの効かない耐性株の増加傾向が確認されて以来、世界的に増加しているという。
同研究所によると、耐性株の出現は遺伝子の突然変異に伴い、ウイルスを構成するタンパク質の一部が変質したことによるもの。北欧で耐性株の増加が確認された後、世界保健機関(WHO)が実施した調査によると、南アフリカ共和国やセネガルでは、調査したH1N1型ウイルスのすべてが耐性株。オーストラリアでは80%、ノルウェーでは67%、ベルギーでは53%、フランスでは47%、ロシアでは45%、カナダでは26%、米国では12%が耐性株だった。世界全体では、昨年10月から今年3月にかけて調査したH1N1型ウイルスのうち、耐性株の割合は16%、今年4月から10月14日まででは39%だという。
ただ、日本で調査したH1N1型ウイルスに占める耐性株の割合は少ないという。同研究所によると、昨年9月から年末にかけて分離されたH1N1型ウイルス331株のうち、耐性株はわずか1株で0.3%。今年初めから9月5日にかけて分離された1403株のうち耐性株は44株で3.1%だった。日本で耐性株の割合が少ない原因は不明だという。