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2011年05月18日 国内でも急速に変異=09年「新型」インフル〓理研
2009年5月から国内で感染が拡大した新型(当時)インフルエンザは急速に変異し、09年10月から10年1月のピーク時には約20グループに分類され、このうち12グループが国内で新たに出現したことが分かった。理化学研究所が関東、関西の医療機関で採取された検体を解析した成果で、7日までに米オンライン科学誌プロス・ワンに発表した。
09年5月に大阪府の保健所で採取された検体では、ウイルスの起源はメキシコだったが、感染ピーク時の起源はニューヨークなどの米東海岸と判明。ピーク時の207検体のうち、3検体が有力な抗ウイルス薬「タミフル」に耐性がある変異タイプだった。
理研の石川智久上級研究員によると、航空機や新幹線などの交通機関で人が活発に移動していることが変異ウイルス流行の背景にあるとみられる。「新型」と同じA型だが、亜型がH5N1の高病原性鳥インフルエンザはヒトが感染した場合の致死率が高く、今後の大流行が懸念されており、病院で簡単に早く検出できるキットを開発中という。