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2011年04月25日 タミフル訴訟、遺族の控訴棄却 名古屋高裁
インフルエンザ治療薬タミフルを服用後、自宅を飛び出してトラックにはねられ死亡した岐阜県下呂市の男子高校生=当時(17)=の父、軒端晴彦さん(53)が、副作用被害を救済する独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(東京)に慰謝料を求めた訴訟で、名古屋高裁は11日、訴えを退けた一審判決を支持、遺族側の控訴を棄却した。軒端さんは上告する方針。
事故後、機構は遺族に救済給付を決定したが、事故当日朝に飲んだ別の治療薬「シンメトレル」の副作用による自殺と判断。副作用被害の報告書には、異常行動の原因となった医薬品としてタミフルは記されなかった。
遺族側はタミフルの副作用である可能性を主張したが、中村直文裁判長は「シンメトレルの添付文書には自殺を図る行動の警告があったが、タミフルにはなく、不合理とはいえない」と退けた。
軒端さんは判決後の会見で「なぜうちの子どもが亡くなったのか知りたい。添付文書に警告がないから安全という理屈には納得できない」と不満を述べた。