サイトイメージ 最新ニュース イベント情報 ごあいさつ タミフルとは 薬害タミフル脳症被害者の会について 会員被害者の現状 活動記録 報道 皆様の声 お勧め本のご紹介 要望書一覧 リンク

 

HOME>>報道(一覧表示)>>報道(詳細)

報道

<<前の記事へ次の記事へ>>

2010年11月06日 インフル治療薬「国産」続々…供給過多も予想

服用1回でOK / 点滴タイプ

画像の拡大 「タミフル」(スイス)や「リレンザ」(英国)などの輸入薬に独占されてきた国内のインフルエンザ治療薬市場の勢力図が、大きく変わろうとしている。

 第一三共が10月、1回の投与で済む新タイプの「イナビル」を発売したほか、塩野義製薬も今年1月から注射で投与できる治療薬を販売している。相次ぐ「国産」の登場で、新型インフルエンザの大流行で社会問題となった昨冬の治療薬不足から一転、今年は供給過多も予想されている。

 海外勢を追撃

 第一三共の「イナビル」は、原料の調達から販売まで国内で一貫して行う「純国産」だ。新型インフルエンザの流行に応じて柔軟に生産できるため、治療薬不足の予防網にもなる。輸入薬の「タミフル」「リレンザ」は、1日2回、5日間の継続的な服用が必要だったが、イナビルは症状の初期に1回の投与で済む。第一三共は「輸入薬の不満点を研究した」と自信を示す。

 塩野義製薬が1月に発売した「ラピアクタ」は、有効成分は輸入するが、生産は国内。点滴タイプのため、重症患者や薬が満足に飲めない高齢者や子供向けとして注目を集める。

 中堅メーカーの富山化学も治療薬の開発を進めており、国内勢の躍進で、シェア(占有率)争いは激しさを増している。

 競争激化

 国内勢の参入が相次いだのは、昨年の新型インフルエンザの大流行を機に、安定供給が大きな課題となったためだ。製薬会社にとってインフルエンザ治療薬は、長期の処方が必要な治療薬に比べて大きな収益を生みにくく、参入に消極的だった。市場の要求が高まったことから、一定の収益を見込めると判断した。

 新規参入の増加は、患者にとって治療薬の選択肢が増え、恩恵につながる。しかし、相次ぐ参入で、今年の在庫は、大流行した昨年の患者数2000万人を大きく上回る2400万人分に達する見通しだ。

 インフルエンザ治療薬の市場規模は、200億〜300億円程度で国内の医薬品市場の1%にも満たない。小さなパイを奪い合う構図だが、新規参入組は特徴をアピールし、海外勢の切り崩しを図る考えだ。(笹子美奈子)

(2010年11月4日)

読売新聞

<<前の記事へ次の記事へ>>