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2009年11月16日 小児用タミフル不足、新型インフル感染拡大で

県、成人用転用を通知
 新型インフルエンザの治療薬タミフルの子供用シロップが県内で不足している。小児患者を中心に感染が予想以上に広がり、製薬会社の生産が間に合わないためだ。県は10日、県医師会と全医療機関に、主に成人に処方されるカプセル状タミフルを子供用に調剤するよう異例の通知を出した。

 県薬務課によると、県内の卸売会社が持つタミフルの在庫は、カプセルが6573人分、子供用のドライシロップは318人分だけだ。県は、27万6300人分のタミフルを備蓄しているが、すべてカプセルだ。

 小児患者が急増した10月上旬から、医療機関からシロップの発注が相次いでいるが、「製薬会社にフル稼働で生産するよう依頼しているが、生産が追いつかない」(厚生労働省医政局)という。

 このため、厚労省は6日、カプセルの中身の粉を取り出して小児に処方する「脱カプセル」という方法で当面はしのぐよう、都道府県などに要請。カプセルは通常、体重37・5キロ以上の患者に処方されるが、カプセルを飲めない小児には、医療機関が大人分の3分の1を量って渡す。

 シロップがほぼ底をついている仙台市青葉区内の小児科医院の男性医師は「患者が増え続けて忙しい中、ワクチンを解体するのは手間がかかるが、患者がいるので仕方がない」と話す。

 県には、医療機関から同様の声が多数寄せられているため、厚労省の方針を通知して対応を求めた。県は「シロップが不足する事態は想定していなかった。今のところ解消の見通しは立たない」と話している。

 県薬剤師会は「カプセルから出した薬の苦みを消すため、チョコアイスやヨーグルトなどと混ぜて飲むよう保護者に指導してほしい」と呼びかけている。

(2009年11月12日 読売新聞)

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