<<前の記事へ| 次の記事へ>>
2009年10月17日 重症の過半数「持病なし」、未成年では71%…本紙分析
新型インフルエンザで厚生労働省に報告された重症・死亡例のうち、半数以上は基礎疾患(持病など)のない人だったことが読売新聞の集計分析でわかった。ふだん健康な人が重症化する要因や前兆はわかっておらず、子どもを中心に急カーブで患者が増える中、注意深く症状を観察するよう、医師らは呼びかけている。
厚労省が報告を求めているのは、集中治療室の使用、人工呼吸器の使用、脳症、死亡のいずれかにあたる症例で、15日までの公表で計129人(うち死亡27人)。
インフルエンザでは、ぜんそく、腎不全、糖尿病、心臓病、妊婦などが「ハイリスク」で重症化しやすいとされるが、該当するのは46人(死亡16人)で、基礎疾患のない人が74人(死亡7人)にのぼった。
未成年では94人中、67人(71%)が基礎疾患なし。成人は35人中、高齢者を中心に20人がハイリスクだが、14人は基礎疾患がないか、高血圧など非ハイリスクの病気や障害だった。妊婦の重症例の報告はない。
子どもの重症例の症状は脳症または呼吸器(肺炎など)、大人は呼吸器が多い。タミフルなどの薬を早期に服用しても、重症化したケースは少なくない。
和田耕治・北里大講師(公衆衛生)の話「初期から急速に重症化する例が目立ち、今のところ予測は不能。ワクチンや薬は必要だが、万全とは限らない。とくに最初の3日ほどは呼吸の低下、脳症の症状の意識障害、けいれんなどに十分注意することが大切だ」