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2009年05月15日 新型インフル:「ウイルスは自然発生」人工説否定…WHO

 【ジュネーブ澤田克己】世界保健機関(WHO)のケイジ・フクダ事務局長補代理は14日、新型インフルエンザウイルスの起源について「自然に発生したものだ。研究施設に由来するものではない」と述べ、一部に出ている「人為的にできたウイルスではないか」との疑念を否定した。

 ブルームバーグ通信などによると、ウイルス人為説は、抗ウイルス薬「タミフル」の開発にもかかわったというオーストラリア国立大の科学者、エードリアン・ギブズ氏(75)が提唱。遺伝子配列などを調べた結果、新型ウイルスは、ウイルスの培養実験やワクチン製造の過程で偶然発生した可能性があると主張し、近く報告書を出すとしている。

 フクダ事務局長補代理によると、WHOは9日、ギブズ氏の仮説を検証するよう各国の研究機関に依頼。国連食糧農業機関(FAO)や国際獣疫事務局(OIE)とも協力して専門家による検討を行った結果、「自然に発生したウイルス」との結論に至った。

 ◇ワクチンの優先生産問題は先送り
 一方、WHOは14日、新型インフルエンザワクチンに関する専門家による電話会議を開催。季節性インフルエンザワクチンと新型用のどちらを優先して生産すべきかなどについて協議したが、この日は結論を持ち越した。

 この日会見したフクダ事務局長補代理は「非常に複雑な問題だ。一回の会議で決められるようなものではない」と述べ、方針決定には時間がかかることを示唆した。

毎日新聞 2009年5月15日 11時37分

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