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2009年05月04日 新型ウイルス、由来は「人鳥豚豚」 10年かけ4種混合

新型の豚インフルエンザウイルスは人と鳥、2種類の豚が持っていた計4種類のウイルスが複雑に混じりあってできたことが、米国や日本の研究チームの解析でわかった。米疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)が公開する新型インフルの遺伝子情報をもとに調べた。予防や治療の基礎データとなるウイルスの正体が明らかになってきた。

 米コロンビア大などのチームは、今回のウイルスと過去の研究でわかっている豚のウイルスの遺伝子情報を照らし合わせた。この結果、ウイルスに8本あるリボ核酸(RNA)のうち、6本が北米の豚に感染するウイルスから受け継がれたもので、2本が欧州やアジア由来のユーラシア型の豚ウイルスから受け継がれたことを見つけた。前者の6本には、人、鳥のそれぞれに感染するウイルスに由来するRNAも混ざっていた。

 人は通常、豚や鳥のインフルにはかからないが、豚は人や鳥のインフルにも感染する性質を持つ。98年ごろ、北米ナ豚インフルが流行したときに、豚の体内で豚ウイルスと人のA香港型ウイルス、鳥ウイルスが混じり合って、まず「3種混合」のウイルスができたとみられる。

 これが北米の豚ウイルスと交雑を重ね、最終的にユーラシア型の豚ウイルスと合わさって「4種混合」の新たな豚ウイルスになったという。このウイルスの表面のたんぱく質が、人に感染しやすい変異を起こした可能性が高い。

 生物資源研究所(沖縄県名護市)の根路銘(ねろめ)国昭所長たちは、北米の豚ウイルスから受け継がれた6本のRNAのうち、1本が人、2本が鳥、3本が豚(北米)由来であることを示した。

 国立感染症研究所のウイルス研究室長などを務めた根路銘所長は「ルーツが詳しくわかってきたことで、対策につなげられる可能性がある。今後もウイルスは変化する可能性があり、監視が必要だ」と話している。

朝日新聞 2009年5月3日3時3分

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