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2009年01月28日 インフルエンザ:タミフル耐性ウイルス、主流に 「Aソ連型」が5割超
◇感染研「複数の治療法重要」
インフルエンザ治療薬「タミフル」が効かない耐性ウイルスが高頻度で検出されている「Aソ連型」が今シーズンの流行の主流になりつつあると、国立感染症研究所が27日、発表した。主流になった原因が耐性化なのかどうかは不明という。研究所は全国の医療機関に対し、「周囲で流行しているウイルスのタイプを踏まえ、治療法を選んでほしい」と呼びかけている。
流行は昨年12月に始まった。今月18日までに全国776人の患者から検出されたウイルスを分析したところ、Aソ連型413人(53・2%)、A香港型281人(36・2%)、B型82人(10・6%)だった。また、23都道府県のAソ連型患者121人のウイルスを調べると、1人を除き99・1%で耐性化していた。今月16日の発表では、Aソ連型の割合は36・2%で、耐性化ウイルスが見つかったのは11道府県で、その割合は97・1%だった。
治療薬にはタミフルのほかに「リレンザ」がある。ワクチンは耐性化したウイルスにも有効であることが確認されている。
研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は「今後も耐性ウイルスが広がるか見守る必要はあるが、治療に複数の選択肢を持つことが改めて重要になってきた。普段から手洗いとうがいを徹底し、感染したら十分な栄養と休息を取ってほしい」と話す。