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2008年12月20日 盗撮で逮捕の厚労省技官はタミフル解禁のキーマン!?
電車内で女性の足を撮影したとして警視庁池袋署は13日までに、東京都迷惑防止条例違反の現行犯で厚生労働省付属の研究機関「国立医薬品食品衛生研究所」薬理部長の男(50)=北区田端=を逮捕した。容疑者はインフルエンザ治療薬タミフルの安全性を審議する専門家会議委員。大流行が懸念されるなか、容疑者の逮捕によってタミフルが治療に使えなくなる可能性も浮上し、厚労省内はてんやわんやとなっている。
調べによると容疑者は11日午後8時ごろ、東京メトロ副都心線新宿3丁目〓池袋間の車内で向かいに座った保育士の女性(24)の足を携帯電話のカメラで隠し撮りした。女性はスカートで足を組んでいたといい、中沢容疑者は左隣の男子大学生(18)に取り押さえられた。容疑者は同研究所から帰宅途中で、「酒の勢いもあって、撮りたくなった」と話しているという。
容疑者は東大大学院修了。同研究所のナンバー3で、厚労省の薬事行政に深くかかわっていた。
「タミフルの安全性を証明するデータがようやくそろい、あとは薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会にかけるだけだったのに…。委員の逮捕で、また延期になりそうな雰囲気。タイミングが悪すぎる」(厚労省関係者)
今シーズンのインフルエンザ流行はすでに始まっており、平年より速いペースで感染拡大が続いている。タミフルは発症から48時間以内に服用すると劇的な効果が得られる治療薬。だが、昨年冬から春にかけて服用した10代患者の飛び降り事故が相次いだ。このため、厚労省は10代への処方を禁止していたが、その解禁が迫った矢先に調査会重要メンバー逮捕となってしまったのだ。
厚労省は別の委員の人選を始めているが、「今冬の流行にはタミフル解禁を間に合わせたい」(厚労省幹部)というもくろみは、情けないハレンチで“大番狂わせ”となりそうだ。