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2008年10月28日 新型インフルQ&A:治療薬「タミフル」の弱点は?

 ◇増える耐性ウイルス、多様な薬の開発必要
 抗インフルエンザ薬「タミフル」を使うと、薬が効かない耐性ウイルスが出現するという問題がある。世界保健機関の集計によると、今年4月1日から8月20日までに、世界各地から採取されたAソ連型インフルエンザウイルスの31%が耐性ウイルスだったという。

 耐性ウイルスが出現する理由は、タミフルから身を守ろうとウイルスが遺伝子を変異させるからだ。免疫が十分作られていない子どもの場合、免疫よりタミフルなどの薬剤が中心になってウイルスを退治しようとする。その分、ウイルスは薬剤から守ろうと、耐性化しやすくなると考えられている。

 新型インフルエンザはすべての人にとって、子どもと同じように免疫ができていない。タミフルは約3日間かけてウイルスを攻撃するが、時間がかかればウイルスに変異する余地を与える。

 この対策として、政府は、135万人分用意した薬剤「リレンザ」の備蓄量を増やす準備を進めている。リレンザは、上気道で感染したウイルスを直ちに攻撃できるよう吸入式で服用する。速攻によって耐性ウイルスを出現しにくくさせると期待されているが、経口薬に比べて扱いにくいのが難点だ。

 このほか、製薬企業「富山化学」と「第一三共」が新型のもととされる強毒性鳥インフルエンザ(H5N1)の薬剤をそれぞれ開発した。動物実験で効果が確認され、現在、臨床試験が進む。いずれの薬剤もウイルスへの働き方や効果が持続する時間などに個性がある。河岡義裕・東京大教授(ウイルス学)は「新型インフルエンザはどんな耐性を持つのか予測できない。治療薬の選択肢を増やしておくことが賢明だ」と話す。【関東晋慈】


毎日新聞 2008年10月28日

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