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2008年10月20日 企業寄付金受けると「研究結果に影響」2割 厚労省調査
全国の大学医学部・薬学部の教授を対象に厚生労働省研究班がアンケートをしたところ、製薬企業から奨学寄付金を受け取れば、その企業が有利になるよう判断に「バイアス(偏り)が生じる」「やや生じる」と答えた研究者が2割いたことがわかった。
奨学寄付金は企業から教育研究の奨励を目的に大学などに贈られ、研究者や分野を指定されることもある。
研究班(研究代表者=長谷川隆一・国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部長)は8〜9月、全国の国公私立大学の医学部・薬学部から無作為に選んだ43学部の会計担当者と教授215人に調査票を送り、33学部の担当者と教授112人から回答を得た。
「奨学寄付金を受け取っている場合に判断にバイアスが生じるか」との質問に、「生じる」と答えた教授は3.6%、「やや生じる」が17%。「生じない」は67.9%だった。情報公開を求められた場合の対応は、3割に当たる10学部が「企業名、金額ともに非公開」とした。
薬害オンブズパースン会議の水口真寿美弁護士は「バイアスを2割もの人が自覚的に感じるということは重く受け止めるべきだ。情報公開の姿勢も不十分。大学と研究者、企業は積極的に社会に説明していく必要がある」と言う。
インフルエンザ治療薬タミフルの副作用についての厚労省研究班で昨年3月、所属する大学教授らの講座が、この薬の輸入販売元から多額の奨学寄付金を受けていたことが判明。同省はメンバーを研究班から外している。