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2019年01月26日 日本で猛威振るうインフルエンザ、韓国ではタミフルの副作用が問題に
日本全国でインフルエンザとみられる患者数が200万人を越え、47都道府県全てで「インフルエンザ警報」が発令された。NHKが25日に報じた。患者の中には建物の窓から飛び降りようとする異常行動も100件近く報告されたという。
日本の厚生労働省によると、今月20日までの1週間にインフルエンザに感染したとみられる患者数は213万人に達した。とりわけ今月22日に東京の目黒駅で線路に落下して死亡した30代女性と、埼玉県でマンションの3階から転落した小学6年生の男子児童はいずれもインフルエンザに感染していたことが確認され、異常行動に対する警戒も強まっている。
厚生労働省によると、2017〓18年にインフルエンザが流行した際、突然走り出したり窓から飛び降りたりする異常行動は95件報告されたが、その中には10歳前後の幼い子供が特に多かったという。またこれらの異常行動を起こした患者のほとんどはタミフルなどインフルエンザ治療薬を服用していたこともわかった。ただその一方で20パーセントは何も服用していなかったことも確認され、薬と異常行動の因果関係は今のところ完全には解明されていない。
韓国国内でも同じような事例が報告されている。昨年12月には釜山でインフルエンザによりタミフルを服用した女子中学生がマンションの12階から飛び降りて死亡した。女子中学生の家族は「タミフルによる幻覚症状が原因」と主張している。食品医薬品安全処に報告されたタミフルによる副作用の件数は2012年には55件だったが、それが16年には257件へと一気に増加し、昨年は9月までの時点で206件報告されている。
副作用とみられる症状は主に吐き気や下痢、めまいなどだが、中には幻覚の症状も2014年から昨年9月まで12件報告されている。ソウル大学病院感染内科の呉明燉(オ・ミョンドン)教授は「インフルエンザに感染したからといって無条件タミフルを服用すべきと考えてはならない」と指摘する。09年に新型インフルエンザが韓国で流行した際「インフルエンザ治療薬はタミフル」という認識が定着したが、今回のような季節性インフルエンザではタミフルを服用する必要はないという。呉教授は「心臓などの慢性疾患を抱えた患者は季節性のインフルエンザでもタミフルを服用すべきだが、普段から健康な人はタミフルではなく安全性が確認された薬を服用した方が良い」と説明した。