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2017年04月25日 インフルエンザなのにタミフルが処方されないのはなぜ?
5歳の子どもがインフルエンザで受診したものの、タミフルではなく普通の風邪薬を処方されたそうです。タミフルを処方する・しないの基準はどこにあるのか、専門家の皆さんに教えていただきましょう。
5歳児のママからの相談:「タミフル処方について」
『5歳の娘がいます。先月、保育園で流行しているインフルエンザを発症しました。週末ということもあり次週いっぱい休ませたのですが、日曜日にはすっかり熱が下がり元気です。休日病院に行けずに月曜日に病院に行ったら、タミフルではなく普通の風邪薬が処方されました。熱が出ていたらタミフルを処方されていたかもしれませんが、どのような基準でタミフルの処方になるのでしょうか?(30代・女性)』
基準1:重症化が予測される場合 タミフルには副作用があり、インフルエンザだからといって必ず処方されるわけではないようです。喘息や心臓病などインフルエンザの重症化が予測される子どもに対し、服用のリスクよりもメリットが大きいと判断された場合に処方されます。
『インフルエンザは、基本的には自然の免疫力で治癒が期待できる病気です。また、抗インフルエンザ薬には見逃せない副作用があります。そのため、タミフルを始めとした抗インフルエンザ薬は、インフルエンザであれば必ずしも処方される訳ではありません。(小児科専門医)』
『厚生労働省や各種学会からは、抗インフルエンザ薬の適正使用の必要性が強調されています。インフルエンザに感染した場合に、重症化が予測される背景をお持ちのお子さんに対して処方するように言われております。具体的には、喘息や心臓・腎臓病を持ったお子さんであり、こうしたリスク因子をお持ちのお子さんに対して抗インフルエンザ薬の処方を検討します。(小児科専門医)』
基準2:発症後48時間以内であること タミフルは、発症後48時間以内に投与を開始する必要があります。そのため、それ以上の時間が経過している場合は処方されないと考えられます。
『タミフルは、インフルエンザに対する特異的な治療薬です。しかし効果が期待できるのは、発症後一定時間までのお子さんに対して処方された場合です。相談者さんのお子さんの場合、インフルエンザを発症してから時間が経過しているので、タミフルは効果がないと判断されたのではないでしょうか。(内科看護師)』
『添付文書には、発症して48時間以内に投与を開始すると記載されています。金曜日に熱が出て48時間以内だとすると、日曜ということになります。月曜では対象外であったので、一般の風邪薬の処方になったのだと考えられます。今後夜間でも熱が出た場合は、症状やお子さんのもつ持病によっては休日・夜間救急対応可能な医療機関を受診してください。(内科看護師)』
タミフルが処方されるのは、インフルエンザの重症化が予測される場合や発症後48時間以内の場合とのことです。また、熱が出ても必ずしもタミフルが適応される訳でなく、家で様子を見てもいいこともあります。今回のケースは、これらの基準に当てはまらなかったためタミフルではなく普通の風邪薬が処方されたようです。