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2010年10月21日 タミフル服用後に転落死 愛知の2遺族が提訴
インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用後、異常行動を起こして転落死した男子中学生ら2人の遺族が21日、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(東京)を相手取り、因果関係が不明だとして遺族一時金などを不支給とした決定の取り消しを求める訴えを名古屋地裁に起こした。
訴えたのは、愛知県知立市の秦野皓平(こうへい)君=当時(14)=と同県蒲郡市の女子中学生=当時(14)=の遺族。代理人弁護士によると、タミフルによる異常行動をめぐり、不支給決定の取り消しを求める訴訟は全国で初めて。
訴状などよると、皓平君は2005年2月5日、前日発症したインフルエンザのため、処方されたタミフルを服用後、自宅マンション9階から転落して死亡した。女子中学生も07年2月16日、タミフル服用後、自宅マンション10階から転落死した。
それぞれの遺族は、副作用による健康被害に対して給付金を出す同機構に救済を申し立てたが、同機構はタミフル服用と死亡との因果関係を「判定不能」と判断し、不支給と決めた。皓平君の遺族は厚生労働省に審査を申し立てたが、今年4月に棄却された。
提訴後に会見した皓平君の母親竜子さん(50)は「これまでも機構や厚労省に訴えてきたが、私たちの訴えは認めてもらえなかった。裁判の場なら公平に認めてもらえるのではと思い、訴訟に踏み切った」と話した。
■医薬品医療機器総合機構の話…訴状が届いていないので、内容についてはコメントできない。